4K放送を見据えて、4K/60Pに早くも対応
2013年10月18日 東京発: 株式会社共同テレビジョン(東京中央区、山田良明代表取締役社長)は、英国FilmLight社のグレーディング・システムBaselight FOURをフジテレビジョン湾岸スタジオ内に導入したと発表した。
Baselight FOURは4つの独立したノードによるクラスター構成のグレーディング・システムで、世界中で大作映画の制作に使われているもので、4K、特に映画で使われる4096×3112のフルサイズの4Kをはじめ、ステレオスコピック3Dにも対応している。
今回の導入にあたり機材選定を担当した同社技術センター制作技術部の高垣氏は「4K放送は、来年から試験放送が始まることが決まっていますから、その準備を始めるのは今でも遅いくらいです。これまでのビデオカメラからデジタルシネマカメラを使った収録に変わると、収録の方法だけでなく、ポストプロダクションを含めた、すべてのワークフローが変わります。その変化にスムーズに対応できるようにするためには、制作スタッフ全体の教育も必要ですし、何よりその中心になる機材の選定がとても重要です」と話す。
今回の導入の責任者である同社技術センター制作技術部の佐々木部長は「私たちはサービスを提供するのが仕事ですから、ディレクターやプロデューサーに満足していただける、また一緒にやりたいと言ってくださるようなシステムを構築することを目指しています。今回導入したシステムは、4K時代のサービスを象徴したものになるはずです」と強調する。
高垣氏はさらに「これからの放送であっても、フルサイズの4Kやステレオは当面必要ありません。われわれがBaselight FOURに求めたのは、そのパフォーマンスです。4K/60P対応と言われているシステムは他にもありますが、実際に見てみるとどれも決して満足できるものではありませんでした。Baselightだけが本当の意味でサクサク動く、つまりストレスなしに動くシステムだと言えると思います。もちろんお客様から高い評価をいただいてこそのサービスですから、これからが正念場ですが、強い味方を得たと確信しています」とシステムの能力の高さが導入の決め手になったと話す。
今回のシステムは、FilmLightの代理店である報映産業株式会社が設計と導入を担当した。また、同じ時期にFilmLightの国内法人であるフィルムライト株式会社が発足し、カスタマーサポートが充実されることが発表されている。